2022年、2023年と2年連続でトップルーキーに選手された佐々木完太。2017年5月のデビューから5年目となった昨年は盛大なジャンプを果たした年だった。まず4月浜名湖では新モーターを仕上げ、優勝戦1号艇。デビューから11回目の優出で初の1号艇。いよいよ待ちに待った初優勝の瞬間が訪れるか、というレース。しかし、なんとそこに立ちふさがったのが師匠の吉村正明。逃げる佐々木に対して、3コースから鋭いまくり差しで肉薄。あわや逆転というバックストレッチの攻防で、佐々木が力を振り絞ったかのような外からのひと伸びで前に出た。敬愛する師匠と激戦の末のワンツーゴール、佐々木はグンと成長した。
それからたった2節後の昨年5月、佐々木は大村のG2MB誕生祭でG2初出場を果たした。それまでG1は5節経験していたが、オールアウト戦で未勝利だった。アウトオンリーだったのには佐々木なりの考えがあった。「白井英治さんも今村豊さんも最初は6コース。今ではなく、今後のため。先の先のことを考えれば自分のためになる」という壮大な思考からだった。
初優勝を経験した佐々木は、このG2戦を枠なりで戦った。破竹の3連勝で始まり、気が付けばSGレーサーを相手に優勝戦1号艇にいた。「舟足は節イチ。先にしっかり回れば絶対に差されない」と思っていたそうだが、2コース井口佳典に02スタートを行かれ、見た目は大ピンチ。しかしそこから伸び返し、井口を差しに回らせた。舟さえ向けば強烈足で、井口をあっという間に振り切ってG2初優勝を達成。「浜名湖の初Vの時はウイニングランがなくて、お客さんの前でやりたいと思っていたのですごくうれしいです」と飛び切りの笑顔だった。2023年の佐々木の目標はSGでの活躍。「しっかりと自分の武器を見つけて、成績を残したい」と全力でぶつかっていく構えだ。