山口支部のベテラン女子レーサー佐々木裕美は清水愛海を「山口の宝」と呼び、引退したレジェンド・今村豊さんさえ、将来へ向けて清水の育成方法を提案するほどだ。
清水の127期養成所時代は勝率7.12でトップ、修了記念競走でもインから逃げて優勝した。当時のことについては「勝率は1位でしたが、実力は男子の方がうまく、たまたま運が良かっただけです」と謙遜する。養成所時代は“転覆王”として伝説になりかけたこともあったそうだが、本人は「自分ができないことよりも、みんなの訓練時間を奪ってしまうことに泣いていました」と意外な実情を明かしている。
その清水はデビューから4期目にA2級へ上がり、5期目もA2級、しかし6期目の現在(2024年1月時点)はF1と失格2回があって勝率4.40でB級に1歩後退した。進入コースは2022年5月から枠なりに入っていたが、今村豊さんのアドバイスで2023年1月からは1、2コースはやめて3コースから外に変更。「中外から行った方が将来を見据えれば、うまくなるから」という理由だった。勝率はいったん5.69に上がったが、2023年5月以降は勝率4.40とブレーキがかかってしまい、2023年11月からは再び枠なりに戻っている。期初めにFは切ってしまったが、外コースで得たものがあったろう、その後は勝率6点台ペースで視界が広がってきた。
ターンスピードと、コーナーに入っていく角度の良さは出色な清水だが2023年については「自分的にはダメダメな年だったので、2024年は休むことなくレースに出て、クイーンズクライマックスに出られるように頑張ります。まずは下関でレディースチャレンジカップがあるので、そこを目標に」とロングレンジでの計画を立てている。
どんなステップを踏んで成長していくのか、楽しみが尽きない未来のスター候補だ。